• 木月山 遍照院 大楽寺

    大楽寺は、神奈川県川崎市の真言宗のお寺です。川崎七福神の中の布袋尊があるお寺としても有名です。
    元旦の初詣にいらっしゃる方も数多くいらっしゃいます。

  • 三重の塔

    第十八代山主佐藤教虔和上は、先徳に対する奉恩謝徳の志として三重の塔奉献を発願され、平成五年一月着工、平成六年八月初旬から組み上げに着手し、同年十一月末日竣工致しました。塔の材質は桧(ひのき)です。四天柱は各層にありますが、心柱は塔の中心にある長大な柱でありまして頂上では相輪つながっていて、先は二層目で止まっております。塔の高さは九メートル、うち相輪の高さは四メートル、基壇を入れて総高十四メートルになります。
    屋根は銅版で、相輪は青銅製金箔しあげになっております。組物ですが組物とは軒を支える構造材の事ですが、斗拱(ときょう)、斗組(ますぐさき)、などともいいます。当寺の塔は出三斗(でみつど)、二手先(ふたてさき)、中備えは蟇股(かえるまた)です。 塔内には弥勒菩薩座像を安置し天井には天蓋がございます。

  • 御本尊(胎蔵五仏四菩薩)

    大楽寺の御本尊様は胎蔵界大日如来様です。密教の世界観では、宇宙のすべては、大日如来のあらわれで、金剛界と胎蔵界という二つの世界観によって構成されています。すなわち、大日如来の智徳をあらわす面を金剛界、その慈悲をあらわす面を胎蔵界であらわしています。前住職教和和上の代に御本尊様が安置されている須弥壇に中台八葉院の立体曼荼羅を壮厳されました。それは、八弁の蓮華の花が開いた形で中央に大日如来、その八弁に四仏・四菩薩で囲まれています。又、当寺では、その回りに五大明王・護世四天王が配置されております。

  • 川崎七福神の布袋尊

    布袋尊は、肥満体のふくれあがったお腹をむき出しにして、布製の大きな袋をかついでいるので、布袋と呼ばれました。これはニックネームです。
    この人は歴史上の人物、庶民に”布袋和尚”と親しまれた禅僧なのです。中国の貞明二(九一六)年三月に奉化県の丘林寺に没しました。ものごとにこだわらぬ大らかな人物で、一般庶民から尊崇をうけ世に超然としたこの人の生き方からいつの間にかこの布袋和尚は弥勅菩薩の化身とされました。布袋は吉凶の判断にすぐれ、未来を予知する能力が買われて、七福神の一人に入られました。
    当寺の布袋尊は、家内安全、学業成就に後利益があらたかであるとされています。希望校に合格され、翌年にお礼参りされる方がいらっしゃいます。

  • 大楽寺蔵書

    大楽寺客殿本棚には、多くの蔵書がございます。国訳一切経、大正新修大藏経、南伝大藏経、真言宗全書、西藏大藏経、仏教大辞典、平間寺史等の仏教書を始め、書道全書、書譜、書道辞典、書跡名品叢刊等書道関係、中国の歴史、アジア歴史研究入門等の歴史書、又めずらしい書としては、日本皇室大鑑、世界文化大百科事典、三百藩藩主(家臣)人名事典、清代職官年表、中国考古学大系、長沙馬王堆一号漢墓等、枚挙にいとまがありません。
    これらの蔵書を大楽寺の宝として、これからもずっと大切に守っていかなければと思っています。